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熊倉 稔; 杉浦 俊男
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 50(8), p.2046 - 2050, 1977/08
被引用回数:8含酸素化合物の放射線化学およびイオン化学の初期過程の研究の一環として、トリオキサンとエチレンオキシドとの二成分系でのイオン-分子反応をTime-of-flight mass spectrometerを使用して研究した。本報では二成分系で新しく生成されるプロトン化イオン生成について調べた。RPD法により断片イオンおよび生成物イオンのイオン化効率曲線を測定し、出現電圧およびイオン化効率曲線の微細構造の解析から生成メカニズムを明らかにした。プロトン化エチレンオキシドはエチレンオキシド分子イオンが先駆体となって水素原子移動によって生成され、一方プロトン化トリオキサンはエチレンオキシドからのCHOからのプロトン移動によって生成された。これらの速度定数は4.0010、1.2110cc/molecule secとなり、なお重水素化合物を使用してこれらの反応の同位体効果はわづかであった。エチレンオキシドからのthermalなCHOによる反応からトリオキサンのプロトン飽和力はエチレンオキシドよりも小さいことが判明した。
熊倉 稔; 杉浦 俊男; 岡村 誠三*
質量分析, 16(1), p.16 - 22, 1968/00
放射線化学反応におけるイオンの役割は、一般的にはその初期反応において重要である。特に放射線化学の動力学的取扱いから、正または負イオンを反応活性種として重合すると考えられているイオン重合反応の活性種のイオン種を決定する事は、放射化学反応の機構解明に不可欠である。